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ドイツが人口減少でも成長した理由

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     2017年12月29日

     

     微減ながらも人口減少下で経済成長を達成することができたドイツ。その成功の要因を探った内閣府の分析を紹介しよう。こちら
    (報告は、2014年4月7日に第5回「選択する未来」委員会(経済財政諮問会議が設置した委員会)で行われた)

     

     委員会での内閣府の統括官スタッフの説明では、次の表で示したように、日独は、人口減少、高齢化については条件がほぼ同じなのに、潜在成長率では日本はドイツに2倍近い差をつけられている。

               ドイツ   日本     備考
    人口のピーク     2003年   2008年  減少率も同じ
    生産年齢人口のピーク いずれも1990年代終わり
    出生率         1.36    1.41
    高齢化率       約2割強  約2割強
    潜在成長率       1.7%    0.9%

     

     一国の経済の成長の実力とも言うべき潜在成長率で日独に差がついたのは、設備投資と生産性の伸びで日本が劣っていたからだというのが内閣府の分析だ。影響が注目される人口減少は、日独とも成長の足を引っ張ったが、そのマイナス分は0.2%減でおさまっており、致命的なマイナスにはなっていない。
    (委員会に提出された資料では、潜在成長率の内訳を説明している。

     

    潜在成長率は、資本投入(設備投資)、労働投入(労働力、労働時間)、TFP(技術革新などによる労働生産性)の3つで決まる。
            ドイツ       日本
    潜在成長率    0.9%      1.7%
    その内訳
    労働投入    ▲0.2%     ▲0.2%
    資本投入     0.5%      1.0%
    TFP      0.7%      0.9%
     こちら

     

     ドイツが、設備投資と生産性を伸ばすことができたのは、次の4つの要因が考えられると統括官は説明している。

    1つ目は、シュレーダー政権下での労働市場改革があった。
    2つ目が、サービス業における積極的なICT投資があった。
    3つ目が、ビジネスサービスによる付加価値の創出。
    4つ目が、大きな背景としてユーロ参加によって主要輸出相手国に対する為替の安定とか市場の拡大があったのではないか。ユーロ参加が大きい

     

     詳しくは、冒頭のリンク先である委員会議事要旨に書かれているが、ドイツでは、「男性も女性も就業率が急激に上昇」「労働参加が増えた」という記述を読むと、この時の論議が、その後の安部政権の「一億総活躍社会」「働き方改革」につながったのかなと思わせる。

     

     さて、人口減少のマイナスをカバーしたドイツ経済を調べることで、「人口減少=衰退」の宿命論から、より丁寧な議論へと移ることができた。では、日本がこれから体験する減少が設備投資や生産性の伸びでカバーできる程度のものなのだろうか。


    人口減少でも成長したドイツ

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       2017年12月28日

       人口減少、高齢化による日本の衰退が心配されているが、先進国の中では、すでにドイツが微減ではあるが、人口減少の洗礼を受けている。しかし、ドイツ経済は、これまで順調に成長を遂げてきた。


       ドイツの人口は、2000年には8190万人を数えたが、2016年には、8070万人に落ち込み、16年間で120万人減った。2050年には7450万人にまで減少すると予想されている。65歳以上人口も16.2%(2000年)から32.3%(2050年)へと比率が高まり高齢化社会を迎える事情は日本と同じだ。


       ちなみに、お隣の先進国、フランスは逆に人口を増やしている。2000年に5940万人と、ドイツに比べ2000万人以上も少なかったが、2050年には7110万人に増え、その差は340万人に縮まると予測されている。ここまではこちら(総務省統計局『世界の統計2017』21、19ページ)
      (ドイツの人口減少は、もっと進んで2050年には5900万人という予測もかつてあったようだ。こちら
       そして、2000年には、日本が経済規模でドイツを大きく引き離していたが、16年後には日独はかなり接近した。この間の日独の経済の成績を比較してみると、2000年の名目GDPは、日本が4兆8873億ドル、ドイツは1兆9556億ドルと2倍以上も日本の経済規模が大きかった。それが、2016年には、日本4兆9365億ドル、ドイツ3兆4792億ドルと1.4倍に縮まったのだ。こちら


       日本の名目GDPが足踏みしたのは人口減少がドイツよりも急ピッチに進んだせいではないかと思うかもしれないが、実は、日本の人口はこの間、変わっていない。2000年の1億2690万人は2016年もほぼ同じ水準を保っている。


       日本の低成長ぶりを「失われた20年」と呼ぶが、両国を比べるとそれが大げさな表現でないことがわかる。
       

       もちろん、日本がこれから体験する人口減少のペースに比べればドイツがこの16年間で人口を減らしたペースなどは緩やかなものにすぎない。なにしろ、日本は、1億2700万人(2015年)が2065年には8800万人、つまり50年間で4000万人も減ってしまうのだから。しかし、ドイツのように微減ではあっても人口減少の経済下で経済成長を達成できたという事実は、「人口減少=衰退」という宿命論的、紋切り型の公式に「そうばかりとも言えないんじゃないか」ともう少し丁寧に考えを進める道を開いてくれる。つまり、「人口減少は経済成長の足を引っ張るが、人口だけが成長を決める要因ではないし、ドイツはなぜ成長できたのだろうか」という疑問に進むことになる。
       

       調べてみると、ドイツ経済の成長については、もう4年近く前に内閣府が分析し、経済諮問会議が設置した「選択する未来」委員会で報告されていた。それを紹介しよう。
       


      サウジ、近く皇太子に王位継承の観測

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        171210   

         6月に皇太子となったムハンマド・ビン・サルマン氏は、改革の抵抗勢力排除に取りかかる。9月には、聖職者ら保守派やリベラルな思想家、そして王族の一部など30人以上の身柄を拘束した。その約半分は聖職者で、1990年代に反政府運動に参加した元原理主義者たちが多いという。こちら (今回は『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の記事をベースに書いています。有料ですので、リンク先にアクセスできなくてすみません)
         ムハンマド皇太子は、サウジアラビアでは禁じられている女性の自動車運転を認めたり、数年前には考えられなかったコンサートや公演を催すなど社会的な自由を拡大する路線をとっている。保守的な聖職者らは、こうしたやり方が気に入らないのだろう。
         11月には、汚職の取り締まりを理由に王族数十人を拘束し、その強権的なやり方が世界を驚かせた。6月に皇太子の座を追われたムハンマド・ビン・ナエフは、拘束はされていないが銀行口座が凍結されたという。ナエフは、長きにわたりサウジの安全保障・治安部門のトップの座にいた有力王族だったが、サルマン国王−ムハンマド皇太子の親子によって放逐されてしまった。ムハンマド皇太子への権力集中がますます進み、「ミスター・エブリシング(全てを牛耳る男)」とまで呼ばれるようになったという。こちら
        『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、9月に「一部では今月にも王位が継承されると予測されていたが、今は年末から来年初め頃が有力だと関係者は話す」とムハンマド皇太子への王位継承を伝え、11月にも再び、「サルマン国王は数カ月のうちに退位し、ムハンマド皇太子に譲位するとみられている」と関係者の話として伝えている。同紙は、サウジの古い宗教的因習を改め、経済、社会改革を
        志向するムハンマド皇太子寄りにもみえる。(いずれも上記2つの記事)。
         サウジの政府筋は王位継承を否定している。こちら
         皇太子は32歳。社会的な自由を拡大し、若い人たちからの支持を集める一方で、政治的な批判は許容せず、抵抗勢力を排除するタカ派的な面も併せ持っている。外交にもイランに強硬な態度を取るなどタカ派色が強い。
         来年前半にも譲位されれば、北朝鮮の金正恩よりも若い国家元首が誕生することになる。その環境を整えつつあるようにみえる。

         


        宿敵サウジとイスラエルが手を握る

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          171208 

           エルサレムをイスラエルの首都と認めるというトランプ米大統領の決定は、事情を知らない者にとっては唐突な印象を受けた。北朝鮮との開戦もありうる状況下のいまこの時期に、中東問題というもうひとつの大きな火種になんでわざわざ油を注ぐ必要があるのか疑問もぬぐえない。世界を不安定化させる愚かな決定というのが欧州先進国の反応である。
           決定の理由については、いろいろと想像を膨らませることはできるだろうが、サウジアラビアの姿勢の変化が決定の背景にあるようだ。こちら
           記事は、「対イラン」という共通の土俵で、サウジ、イスラエルという宿敵が手を握り合ったのではないかという情報を盛り込んでいる。サウジもトランプ大統領の決定に反対の声をあげているが、「アラブ指導者らの反対は見せかけだけ」とホワイトハウスは見ているようなのだ。
           サウジの変化には、ムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)皇太子の存在が大きい。急進改革派で、11月にも有力王族を大量拘束した張本人で、王室に波風を立てまくっている。
           アラブ世界は、王室の家系は複雑そうで、そもそも登場人物の名前もわかりにくい。でも、今後の中東問題の展開を見通す上でも、サウジ王室について知識をきちんと整理しておこうと思った。
           まず、王室の家系をチェック。サウジ政府のサイトではないが、このサイトが役立つ。こちら

           系図のトップにいるのが、サウジ初代国王のアブドゥルアズィーズ・イブン・サウード(1876〜1953)。その下に息子たち10人が並んでいるが、右から2番目のサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズが七代目の現国王だ。80歳を超えている。
           ちなみにアラブの人名は、現国王を例にとるならば、最初の「サルマン」が名前、「アブドゥルアズィーズ」は父親の名前、「ビン」は「〜の息子」という意味だ。日本や欧米のように姓、ラストネームはなく、ファーストネームで呼ぶのが礼儀らしい。
           このサイトが丁寧に説明してくれている。こちら
           もう一度系図に戻って、その現国王の息子3人の右から2番目が、話題のムハンマド・ビン・サルマーン、つまり「サルマーンの息子」皇太子だ。
           ムハンマドは、今年6月に、有力王族に代わって、副皇太子から王位継承1位の皇太子に昇格した。こちら
           その交代劇も「宮廷革命」と称されている。ロイターが、電撃交代のその日を詳しく伝えている。おもしろい。こちら


          ペリー元国防長官の悔恨 北朝鮮が普通の国に…

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            171201
             1994年の第1次朝鮮半島核危機の際、アメリカの国防長官だったウィリアム・ペリー氏の長文インタビューを朝日新聞が報道した。こちら 国際的な約束の反故を繰り返してきた北朝鮮だが、アメリカ側のアンチ北朝鮮の対応が反故に至った点も指摘している。
             当時、米軍は開戦も辞さない構えで、ペリー長官が、在韓米軍に3万人の増派を提案している、ちょうどその時、「文字どおり、クリントン大統領が決定を下そうという数分前、(カーター氏から)連絡が飛び込み、クリントン氏が(米軍増派の)決断を下すことはありませんでした」という。
             カーター氏とは、カーター元大統領で、特使として平壌に派遣されていていた。金日成氏と会談し、「プルトニウムの再処理を中止する用意がある」との発言を引き出した。まさに開戦一歩手前だったことを伝えている。
             その後の「米朝枠組み合意」で、商業用原子炉の建設支援と重油の提供を見返りに、核開発は凍結されたが、北朝鮮は2002年12月に凍結解除を宣言する。
             北朝鮮が約束を反故にしたのは、アメリカは、「北朝鮮がその産業力を高めるのを支援し、農業の発展や貿易協定、南北家族の面会」などを実施することになっていたが、「米国は何も実行しませんでした」ことが背景にあったという。これらの支援は、「ソフトな合意」と呼んでいたという。原子炉建設支援は「ハードな合意」と呼んでいた。
            「大統領にそれができなかったのは、米議会で多くの議員、特に共和党議員が同意せず、枠組み合意への署名すら強く拒んだためでした。2001年に(共和党の)ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領となり、試みたのが枠組み合意の破棄。それは2002年に現実となったのです」。
             ペリー氏は、「もし米国がソフトな合意を実際に履行していても、(北朝鮮情勢が現状と)異なった結果になっていたかはわかりません」と慎重だが、北朝鮮自身も望んでいた「普通の国」にすることはできたかもしれないという悔恨がインタビューから読み取れた。
             もうひとつの約束反故は、2003年の第2次朝鮮半島核危機で始まった六カ国協議の合意破棄だが、きょう朝、たまたま聞いた文化放送ラジオで、元外務官僚の佐藤優氏が破棄の背景を解説していた。細かな言葉づかいは異なるが、おおむね、こんな話だ。
            「外務次官だった藪中(三十二)さんから聞いたが、バンコ・デルタ・アジアへの制裁で北朝鮮の口座を凍結した。これらは、金正日氏の口座でもあり、正日氏が過敏に受け止め破棄に至った。藪中さんは残念がっていた」

             バンコ・デルタ・アジアについては、こちら

             北朝鮮には北朝鮮なりの理由があったというわけだ。
             ただ、ペリー氏も、「過去にも北朝鮮は合意を裏切ってきた。今交渉するなら、北朝鮮がごまかせないよう検証の仕組みを作る必要があるでしょう」と語っている。


             北朝鮮「火星15」ミサイル発射、いまなぜ

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              171129
               29日未明、北朝鮮は9月15日以来、弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の挑発がしばらくとだえていたことから、朝鮮半島核危機は緩和ムードを感じさせたが、金正恩朝鮮労働党委員長の対決姿勢は変わっていなかった。
               今回発射したミサイルについて、北朝鮮は、「アメリカ本土全域を攻撃できる超大型の核弾頭の装着が可能な新型のICBM=大陸間弾道ミサイル『火星15型』」と発表した。2カ月半の沈黙の後、なぜ、いまこの時期に発射したのか。
               逆に、なぜ、しばらくの間、発射しなかったのか、その理由について、韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相が、たまたま28日の外国メディアの会見で語っていた。日経新聞電子版から引用すると、趙統一相は、
              「北朝鮮が約70日にわたり大きな挑発を自制している背景については、(1)冬場はそもそも挑発が少ない(2)技術開発に時間を要している(3)経済成長を優先している(4)米軍の戦略兵器が抑止力として効いている――の4つの要因が複合的に作用していると分析し
              た。」という。
               いずれの理由も決め手になるほどの説得力を有しているようにはみえない。そのことは、29日のミサイル発射ではっきりした。
               米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したことへの反発との指摘もある。確かにそれもあるだろう。米国に強気の姿勢を見せないと、正恩氏の求心力が低下することも考えられる。先日、正恩氏の最側近の1人と見られていた黄炳瑞・朝鮮人民軍総政治局長が処罰されたとのニュースが流れたが、軍の強硬派からの圧力も想像できる。
              しょせん、北朝鮮内の権力闘争はブラックボックスだが。
               ただ、最近の内外の経過を見て、ひとつ浮き彫りになるのは、中国への配慮だ。5年に1回の習近平総書記にとっては大事な大事な中国共産党大会や米中首脳会談、中国特使の北朝鮮訪問などのスケジュールの間は、さすがに挑発を控えていた。
               もっとも、北朝鮮は5月に、習近平総書記肝いりの「一帯一路」の国際会議の開幕日にミサイルを発射している。2カ月半の沈黙の後の挑発は、対中姿勢への微妙な変化なのだろうか。
               技術上の必要性を指摘する見方もある。『ウォールストリート』電子版は、こんな見方も伝えている。
              「民間シンクタンクのストラトフォーでアジア地域のアナリストを務めるロジャー・ベイカー氏は、「米国がどれぐらいの精度でシグナルを拾っているか、北朝鮮は試している。どれだけ早くミサイルを準備できるのか、先制攻撃に出る能力をテストする一環だ」と話す。」


              北朝鮮危機のタイムリミット

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                2017年11月28日
                 10月は仕事が忙しく、その疲れと反動で11月はブログから遠のいてしまったが、久しぶりにアップしました。
                    ×  ×  ×
                 朝鮮半島核危機がここのところ落ち着いている。北朝鮮は、夏ごろに挑発を繰り返してきたが、9月15日に中距離弾道ミサイル「火星12」(北海道上空を超え襟裳岬東海上に着弾)を発射して以来、ミサイルを発射していない。このまま緊張緩和ムードが続いて米朝対話が始まり、核危機が平和的に解決することを期待したい。しかし、北朝鮮が、「核ミサイル開発を中止した」と言っても、核施設に対する相当に厳重な査察が保証されない限り、アメリカもおいそれと対話に応じないのではないか。仮に対話を始めることができたとしてもいずれ決裂するのではないかという心配は消えない。
                 理由は二つある。ひとつは、ニューヨークなどアメリカ東部にまで届く核搭載のICBM開発までのタイムリミットである。もうひとつは、過去に二度も三度も約束を反古してきた北朝鮮が本当に核ミサイル開発を止める気があるのかという点である。
                 タイムリミットとは、核技術を獲得するまでの時間だ。核搭載の弾道ミサイルを開発するには、核爆弾の小型化と大気圏に再突入したときの高温、高圧に耐えられる技術の確立という二つの壁がある。 小型化については、北朝鮮は開発済みだが、再突入技術にはまだ成功していないと見られている。実際、7月28日に発射された長距離弾道ミサイル「火星14」は、上空で明るい光を放った後、光点が徐々に暗くなり、海面に到達する前に弾頭は消滅してしまった。しかし、米国防情報局(DIA)は、2018年中には、再突入技術を確立し、核搭載のICBMを取得すると予測している。
                 アメリカは、本土到達の核ミサイルを許さないだろうから、ダラダラと交渉を続けるわけにはいかない。タイムリミットがある。逆に、北朝鮮にとっては、1年間の時間を稼げればICBMを手に入れることができる。だから、表面上は、「核ミサイル開発を中止した」と言って交渉を始め、裏で開発を続ければ、1年以内にアメリカに対抗する核の攻撃能力を取得できるわけだ。
                 いくらなんでも、アメリカをそこまでだませば、戦争は避けられないから、そんなことはやらないとも思える。ただ、北朝鮮は、1994年にカーター元大統領が北朝鮮を訪ずれて危機を回避した時、2003年に六カ国会合の交渉の場を設定して危機を回避した時、そして、2012年の米朝合意と3度も約束を反古してきた。
                 アメリカも北朝鮮の言葉を鵜呑みにはしないはずだ。あるいは、対話を始める条件をこと細かく、中国のパイプを通じながら水面下で米朝がやりとりしているかもしれない。トランプ政権はいつまで待てるのだろうか。半年も座して待つだけとは思えないのだが。
                 


                「38 North」 米朝「戦争の序曲」という元国務省高官

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                   2017年9月25日

                   前回投稿した原稿では、元国務省高官のJOSEPH DETHOMAS氏は、トランプ大統領による新しい北朝鮮制裁が「戦争の序曲」となると書いていることを紹介した。彼は「序曲」となる理由を三つ挙げている(ここ)。
                   第一に、アメリカが船舶の臨検や海上封鎖をせざるを得なくなるからだという。北朝鮮と取引する国、企業を漏れなく制裁するにはそうした強硬措置が必要になってくるからだ。確かに、戦争一歩手前の国際的な緊張を生むのは間違いない。
                   第二に、金正恩国務委員長の一族や体制のエリートたちが悲鳴をあげる前に、一般国民がモノ不足、失業、飢えに苦しむからだ。体制のエリートたちは、密輸、不法ドラッグ、偽札、大規模なサイバー犯罪で稼ぎ出したブラックマネーがあるので苦しむことはないし、核兵器開発も続けることもできるだろうという。
                   国民が苦しむことが戦争につながる理由は書かれていない。推測するに、飢餓の悲惨な姿が世界に伝えられ、アメリカ国内でも制裁に反対する声が強まり、制裁を断念する、ならば「ピンポイント空爆」などの軍事的手段に訴えるしかない−−という道筋か。北朝鮮国民を助けたいという人道上の理由から、金正恩委員長の排除とミサイル、核施設への空爆に同意する人も出てくるかもしれない。筆者は、「the effort may fail at a high humanitarian cost」と書いている。
                   第三に、北朝鮮のような貧しい国でも、数週間でその経済を壊滅させることはできない。年単位の時間が必要だ。しかし、北朝鮮がアメリカ全土に到達する核ミサイルを恐らく1年以内で開発するだろう。アメリカには年単位の時間を待つ余裕がない、待てないだろうという理由だ。
                   トランプ政権の内輪の協議(inner councils)では、すでに「戦争は不可避(war is inevitable)」と水面下(informally)で決めた重要な理由ではないかとDETHOMAS氏は書いている。
                   DETHOMAS氏は、米国務省で長く勤務、2001年から04年までエストニア大使を務めた。退職後の2010年から13年には国務省のアドバイザーをやっており、その間、イラン、北朝鮮について、制裁の実施と大量破壊兵器の開発を食い止める仕事を続けていたというから、核問題ではアメリカでも有数の専門家と言えそうだ。
                   日本でもすでに紹介されているかと「ジョセフ・デトマス」で検索したら、9月23日の日経電子版でほんのひとことだけどコメントが載っていた。
                   言いたい放題で、強硬すぎる発言を繰り返すトランプ大統領の危険な外交姿勢に我慢がならず、外交のベテランがレッド・カードを早めに出したのかもしれないが、米朝戦争の可能性を頭から否定しるのは難しくなってきた。

                   


                  「38 North」 米朝「戦争の序曲」という元国務省高官

                  0

                     2017年9月25日

                     新聞やテレビの北朝鮮報道で、写真の出所元として「38 North」というのをよく見かける。アメリカのジョンズ・ホプキンス大コリア研究所が運営している北朝鮮に関する情報サイトだ。

                     

                    ※「38」はもちろん朝鮮半島で南北を分かつ軍事境界線(停戦ライン)の北緯38度線のこと。第二次大戦末期に、アメリカとソ連軍の分割占領ラインも北緯38度線に引かれ、これも「38度線(38th parallel north)」と呼ばれた」。しかし、かつての分割占領ラインといまの軍事境界線は正確には一致しないという。ヘー。(Wikipedia「38度線」より)

                     

                     軍事ジャーナリストなどからもその存在は聞いていたので、少しのぞいたことはある(ここ)。地図などが豊富で「充実したサイト」の印象が残っていた。またアクセスして素人視点でサイト内を巡回してみた。「Affiliates」タグ内にある「North Korea Economy Watch」は、国連の制裁や国際緊張の中で物価が急騰しているとの見出しの記事などホットな話が載っているようだ。
                    「North Korea Leadership Watch」には、金ファミリーの歴史、金正日、金正恩の経歴などが詳しく紹介されているのが興味を呼んだ。
                    「Topics」タグ内には過去の寄稿が置かれている。「The New US Sanctions: Moving From Sanctions to Economic War」という原稿が9月22日とごく最近アップされたものなので読んでみた(ここ)。米朝戦争の危機感にあふれた内容だった。トランプ大統領による新しい制裁が戦争の火種になるという。大統領令による新制裁は日本では
                    サラッと紹介されている程度なので、それほど重大なものとは気付かなかった。
                     筆者のJOSEPH DETHOMAS(ジョセフ・デトマス)氏は、米国務省で長く勤務した外交のベテラン。いまはペンシルバニア州立大学教授だ。
                     原稿に「FOREIGN AFFAIRS」と添えられているので同誌にも寄稿されたものなのか。これは4ページ程度なのでその要約かもしれない。内容を紹介していこう。

                     DETHOMAS氏は、9月21日に発表された大統領令を問題視している。その制裁内容は「北朝鮮を屈服させるための一方的な経済戦争の宣言」であるという。
                     大統領令で問題なのは、まず制裁条項第1項の(a)(鵝砲如◆嵋鳴鮮と輸出入取引した者は、モノはもちろん、サービス、技術も含め資産、所有物を没収することを国務省に許可している」。
                     また、第4項では、北朝鮮との取引を進めるいかなる銀行に対して財務省に制裁の権限を与えている。制裁違反の罰則は、資産没収やアメリカの金融システムからの締め出しなどドルを利用する銀行にとって致命的な内容となっている。
                     確かに、この制裁がきちんと実行に移されれば、北朝鮮と取引することがばれた国、企業はグローバルな取引から締め出されるのだから破綻せざるを得ない。怖くて北朝鮮ビジネスには手を出せない。
                    長引けば北朝鮮経済は干上がるしかない。
                     DETHOMAS氏は、「もはや制裁は北朝鮮を交渉のテーブルに着かせる国際的な手段ではなく、アメリカの北朝鮮に対する経済戦争の一方的な手段になっている」のであり、「その目的は、経済を壊滅させることで体制を屈服させる、あるいは体制が崩壊する状況を作り出すことにある」と断ずる。
                     そして、「制裁は戦争に至る道の一つではなく、(もはや)戦争の序曲(They may well be its prelude)かもしれない」と怖い予測を打ち出す。「序曲」である理由をDETHOMAS氏は三つ挙げている。続きは本日25日中にアップします。

                     


                    北朝鮮攻撃 気になるマティス発言−専門家は否定的

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                       2017年9月23日

                      「アメリカが北朝鮮を攻撃する」。永田町では、そんなウワサが飛び交っているそうだ。米朝のトップがお互いを威嚇し合う過激な言葉だけを聞いていたら、あり得ることかと思ってしまう。とは言え、トランプ大統領はもともと「言いたい放題キャラ」であるし、北朝鮮の誇大表現はいまに始まったことでもない。威嚇の言葉がそのまま実行されると心配するのはナイーブすぎる。だが、驚いたことに「北朝鮮攻撃」説は、28日の国会冒頭で打ち出される衆院解散の理由だというのだ。
                       世界の首脳の中でもトランプ大統領に親しい安倍首相だけが知らされたというのだろうか。「大儀なき解散」と批判される今回の解散にあまりにデキすぎた「大儀」だ。ただし、国民に「アメリカが北朝鮮攻撃を決定しました」なんて公には言えない大儀だから、ウワサとして広まってくれればというわけか。
                       安倍首相は、外務省などから「国連の対北朝鮮制裁の効果が表れる年末以降に北朝鮮情勢は緊迫する」との情報を受け、「北朝鮮情勢が一層緊迫化すれば、来年の解散が見通せなくなるからね」と語ったという(ここ)。北朝鮮問題が今回の決断を左右したのは間違いなさそうだ。ただ、その裏に「攻撃決定」が隠されているとはにわかに信じがたい。

                       もちろん、アメリカの選択肢の中には「北朝鮮攻撃」も含まれているだろうが、その意味で9月18日のマティス米国防長官の発言は気になる。「ソウルを北朝鮮の報復で「重大な危険」に陥らせることのない軍事的手段がある」との発言だ。マティス長官はそれ以上の具体的な言及は控えたというが、本当に危険にさらすことなく作戦を遂行できるのかは別にして、何らかの軍事オプションを新たに用意したのだろう。
                       考えられるのは、弾道ミサイル、核施設を潜水艦からのトマホークミサイルやB2ステルス戦略爆撃機で破壊する(この記事のオプション2「ピンポイント空爆」)と同時に、ソウルに近い軍事境界線の非武装地帯を中心に配備されている大量の通常兵器やロケット砲も破壊してしまうことだろう。
                       ただし、専門家は、いかなる軍事オプションも全面戦争を引き起こすことになると見ている。ジョンズ・ホプキンス大学米韓研究所シニア・フェローのジョエル・ウィット氏は「北朝鮮の核兵器とミサイルをゼロにできる軍事オプションはありえない」と語る。「核開発に重要なたくさんの施設がどこにあるか全部わからない」からだ(ここ)。そして、全面戦争で数百万人の死傷者を出し、韓国と日本の経済の混乱で世界不況を招き数兆ドルのダメージを与えるだろうと」予測する。
                       ウィット氏も国境線沿いの大量の通常兵器の存在を指摘しているが、マティス長官の言う「軍事的手段」がこの問題をクリアしたのかどうか。韓国、日本にはリスクが大きすぎる選択に見える。マティス長官はクリアしたと信じているようだからピンポイント空爆に踏み切る可能性はある。それともマティス発言は、威嚇にすぎないのか。今年4月のシリア空軍基地へのミサイル攻撃が成功しただけにアメリカの過信が怖い。


                      アメリカの「出口政策」をたどる バランスシート縮小

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                        2017年9月21日

                         アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は20日、金融政策を決めるFOMC(公開市場委員会)で、保有する米国債や政府機関債などの資産を減らしていくことを決めた。10月から早速始める。
                         

                         日頃、日経新聞を読んでいる人にとっては、FRBが近く資産規模を縮小することは常識だろう。私もその程度の常識は持ち合わせていたが、縮小決定までの経過は知らなかったので改めてネットで調べてみた。まだ、先のことだろうが、日銀もいずれ資産規模の縮小が視野に入ってくるだろうからFRBの「出口政策」の一端を知っておくのもムダにはならない。
                         今回のFOMCの声明 (原文)を読むと、後ろの方に「委員会は10月に、2017年6月の「委員会の政策正常化の原則と計画に関する補遺」で説明したバランスシートの正常化プログラムに着手する。」という個所が出てくる。そこで、6月に出されたという「補遣」を調べると、償還を迎えた米国債は月60億ドル、政府機関債と住宅ローン担保証券(MBS)については月40億ドルを再投資(買い換え)しない、つまり合わせて毎月100億ドルずつ資産を減らしていくという。
                        「補遣」とあるのだから、その前に本則があるわけで、それは2014年9月に発表されていた。今回の「補遣」では具体的な縮小額が新たに提示されたのだということがわかる。

                         

                         そして、これを読むとさらにさかのぼって2011年6月に元祖「正常化原則」が示されていることがわかった。これも探したけれど、ロイターさんには残っていないらしい。でも、こんなリポートを見つけた。
                         どうやら、元祖「原則」はその後撤回されたらしい(同リポートの5ページ)。MUFGさん、リポートありがとう。

                         もともとFRBによる米国債などの買い入れは2008年のリーマン・ショックへの対応で打ち出されたが、経済の回復に伴い、買い入れを少しずつ減らしていき、2014年10月には購入をゼロにした(QE3の終了)。でも、FRB保有の米国債など資産規模は小さくならなかった。ずっと、4兆ドルを超えた水準を維持し続けていたのだ。満期を迎えた保有債券を償還せずに買い換えていたからだ。
                         

                         ここのところ高値更新を続けるNY株価のベースにはFRBによる巨額のマネーの供給維持があるのかもしれない。3年間も4兆ドル超えの資産規模を維持し続けてもこれまでは目立った弊害も起きていない。アメリカ景気も過熱しているわけではない。ならば、現状維持でも構わないようにもみえる。しかし、景気が良くなれば、長期金利が上昇(国債価格は下落)するので、FRBにとっては巨額の含み損になり、それがドルの信認を低下させるので、ひとりFRBだけの問題では収まらない−−と考えるから縮小の時期を模索していたわけですね。「含み損→ドル信認低下」はマーケットの人たちが決めることなのでしょうが、やはり、それは必然の道?


                        北朝鮮経済と核開発 その2 意外と安く作れる核兵器

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                            前回(14日)で紹介したように、北朝鮮の経済規模は秋田県と同レベルだが、それで核開発ができるのか。昨年1月のロイターの記事によると、「専門家たちは正確な数字はよくわからないというが、韓国政府は核の支出は全部で11億から32億ドルと推計している」という。記事は、コスト削減のため、国産技術を使い、ただ働きさせていると伝えるが、「全部で(overall)」というのが、ウラン濃縮から核爆弾の製造までを、そして過去の実験まで含めたものを意味するとしたら、多くて3千数百億円というのは安上がりにすぎないか。

                           この記事は、また「グローバル・ゼロ(Global Zero)」という世界の核兵器ゼロを目指すグループの調査数字も紹介している。それによると、2011年の北朝鮮の核兵器支出は7億ドルで、核保有国の中では最下位の支出額だった。米国は613億ドル、北朝鮮のワンランク上はパキスタンで22億ドルという(Global Zeroのこのレポートを探したがいまのところ見つかっていない)。
                           北朝鮮と経済規模が同じ秋田県の一般会計予算が6014億円であることは前回に書いた。その比較に基づけば日本円で700億円ちょっとという数字は支出可能に見える。ただ、いまは2011年当時よりも核開発を強化しているだろうからお金の使い道は軍事に傾斜し国民の生活は圧迫されているだろう。
                           また、アメリカのニュース専門放送局のCNBCは、北朝鮮が60発の核兵器を保有しているとすれば、1800万ドルから5300万ドルの費用がかかっているだろうと伝えている。これも北朝鮮の経済規模からは負担が難しい額ではなさそうだ。

                           一方で、北朝鮮の経済が表に現われた数字よりももっと大きいのも確実だ。裏マーケットでの私的な取引が活発で、「グレーな経済は表の経済をしのぐほど」という専門家たちの言葉をロイター記事は伝えている。こうした裏マーケットで稼いだ富裕層への課税や国家による偽札づくり、保険金詐欺、中東へのミサイル部品の販売などの稼ぎが核開発につぎ込まれているという。
                           世界最大の核大国アメリカはいま、6800発の核兵器を保有している。1990年代から新しい核弾頭も核爆弾も製造してないそうで、現物をリフレッシュさせて管理しなければならない。そうしたコストを考慮すると、アメリカは核計画(nuclear program)に今後2、30年で2500億ドル投じることになるだろうと専門家は予測している(前述のCNBC記事)。北朝鮮のような小国には負担できない費用だ。
                           しかし、地球を何回も滅亡させるほどの大量の核兵器は北朝鮮には必要ない。100発規模の核兵器を持つ核小国でも世界を脅かすには十分だ。いまや小国が核を持てる時代になった。それは、世界経済の規模が全体的に底上げしたことやかつては極秘だった科学技術の知識が広まったこと(原爆の製造法がインターネットで流れたとのニュースもあった)、核の部品が価格的に入手しやすくなったからだろう。
                           北朝鮮をお手本とする小国が今後も登場する可能性はないだろうか。そして、金正恩が金王朝の存続のみならず、核小国連合の盟主にならんとする野心を抱きはしないだろうか。


                          北朝鮮経済と核開発その1 北朝鮮のGDPは秋田県レベル それでも核開発できる?

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                             北朝鮮の最初の核実験の時(2016年10月)だったろうか、北朝鮮のGDP(国民総生産)を調べ、日本の都道府県と比べたら鳥取県のGDPと同じぐらいだった。鳥取県でも核開発ができてしまうのかと驚いた記憶がある。
                             数字をきちんと確かめてみようと調べてみた。
                            外務省のホームページにGNI(国民総所得)の数字が載っている。

                             

                             最新の数字は2014年で、34.2兆ウォン、日本円で3.2兆円になる。GNIとは、GDPに海外での稼ぎを加えたものだ。韓国の中央銀行である韓国銀行の推計と書かれているので、「Bank of Korea」関連で検索してみると、もっと最近の数字とGDPも出ているリポート(リンク先の「Attach」をクリック)が今年7月発表されていた。

                             

                             それによると、2016年の名目GDPは、36.1兆ウォン、日本円で3.4兆円だった。日本の名目GDPは538兆円(2016年度)だから、はるかに小さい経済規模だ。それでも、北朝鮮経済は好調で、2016年は実質GDPが前年比3.9%増と、1999年以来17年ぶりの高成長だったとリポートは伝えている。※ただ、リポートの最後の方のページにある実質GDPの数字を念のため計算したら3.9%ではなく2.6%なのだが……。メディアは、発表どおり3.9%と伝えていた
                             

                             それで、この北朝鮮のGDPの数字を内閣府が公表している「県民経済計算」と比べてみた。都道府県別に名目GDP(2014年度)の数字が並んでいるが、秋田県の3兆4590億円が一番近い。
                             秋田県より名目GDPが小さい県は福井、鳥取、徳島など7県で、47都道府県中、下から8番目の規模。北朝鮮は表に現われない裏の経済も活発だと言われているが、表の経済規模は韓国銀行の推計によると、その程度のイメージだ。

                             では、北朝鮮の国家予算に匹敵する(?)秋田県の予算規模はどれくらいなのだろう(北朝鮮は2001年度を最後に国家予算を明らかにしていないそうだ)。名目GDPが2014年度なので、その年度中に作成された2015年度予算を調べると一般会計6014億円だった。
                             

                             日本の自治体予算は国からの地方交付税や補助金の歳入があるから、比較には無理があるのは承知だが、6014億円という金額で県民へのサービスを切り詰めれば核開発も可能な金額なのだろうか。次回は核開発のコストを探る。


                            日本で4000万人減っても世界で30億人増える 人口減少

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                                    2017年7月2日
                               人口減少が日本経済の成長にどの程度影響するかを最近調べていた。人口減少に対抗する道としてよく言われるのが生産性向上だが、世界の人口増も日本経済、企業にかなりのプラス影響を期待できるのではないか。
                               日本の人口は、2065年には8800万人に減る。2015年が1億2700万人だから、50年間で4000万人も減ってしまうという。厚生労働省が今年4月に発表した推計だ(http://www.sankei.com/life/news/170410/lif1704100014-n1.html)。
                               そんな数字を聞くと、「日本の衰退」というイメージに結びつきやすい。しかし、世界に目を転じると人口は年率平均0.67%の伸びを続け同じ2065年には104億人に達する(https://esa.un.org/unpd/wpp/Download/Standard/Population/にある”Total Popultion Both Sexes”中位推計=medium variant)。約30億人も増えるのだ。
                               日本の人口減少で国内需要は減少するだろう。しかし、国内4000万人減だけをちまちまと考えるだけでなく、30億人増えるという世界の現実も踏まえておきたい。
                               日本にとって地の利があるアジアは現在45億人と世界の人口の60%を占めている。世界の人口増の主役はアジアからアフリカに移行していくが、アジアでも2050年までに7.5億人増える予測だ(https://esa.un.org/unpd/wpp/Publications/Files/WPP2017_KeyFindings.pdfの3ページ 「国連世界人口予測2017」)。
                               途上国で人口が増えても貧困が広がるだけかもしれない。あるいは、途上国が豊かになれれば資源の枯渇や地球温暖化ガスの増加を招くかもしれない。そうしたマイナスの結末も当然考慮しなければならない。ただ、インターネットにより世界の人々に直接コンタクトできる時代だけに世界の人口増は市場拡大の好機であり、個別の企業はこれを漫然と見ているわけにはいかないだろう。
                               いまは国内需要しかない産業、たとえば鉄道や電力、ガスなどの産業では、海外でビジネス展開する方法を企業トップは考えねばならぬ時期に来ているのだろう。
                               結果的に巨額の損失を出してしまったが、日本郵政による豪物流会社トール・ホールディングス買収は内需企業の成長戦略として方向性は正しかった。海外でしたたかにビジネス展開できる技量とカルチャーが培われていくことを切に願いたい。


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